美容室の閑散期は
いつなのか
予約の数には、月ごとの波が出ることがあります。
総務省の家計調査でカット代の支出を月別に見ると、5年続けていちばん少なかったのは1月でした。
- 総務省「家計調査」の支出で確認
- 2021〜2025年の5年分
- 予約の少ない月の使い方
美容室・理容室を営まれていると、1年のなかで「この月はどうしても予約が埋まらない」という時期に当たることもあるのではないでしょうか。 閑散期がいつなのかは、感覚だけでは確かめにくい話です。
このページでは、まず総務省の家計調査で、世帯がカット代やパーマ代にいくら支出しているかを月別に並べ、 波の形を数字で確かめます。そのうえで、予約の少ない月と多い月をどう使い分けるかを順に見ていきます。
数字は2026年9月時点で公表されている値(2025年までの各月と、2026年7月分まで)をもとにしています。 統計の読み方の注意点も、あわせてお伝えします。
美容室の閑散期はいつか。
家計調査で見る月ごとの波
全国の世帯の支出を、月ごとに並べてみます。
家計調査の「カット代」で見ると、2021年から2025年までの5年間、毎年いちばん支出が少なかったのは1月でした。いちばん多いのは12月(2025年だけは3月)。それ以外の月の差は小さく、年によって順番が入れ替わります。
1月の平均は434円で、12か月の平均(約562円)の8割に届きません。 反対に12月は639円で、平均より1割以上多くなっています。 それ以外の10か月は、平均の前後1割の範囲に収まっていました。
「閑散期」と聞くと何か月も続く時期を想像しがちですが、少なくともカット代の支出で見るかぎり、 はっきりした谷は1月の1か所です。2月は日数が少ないぶん月の合計は小さく出ますが、 1日あたりに直すと、ほかの月と同じくらいの水準でした。
- 「カット代」は、シャンプー・トリートメント・セット代を含む品目です。ヘアカラー(毛染め代)は別の品目に分類されるため、含まれていません。パーマと同時に受けたカットは「パーマネント代」に含まれます。
- 2021〜2024年は2020年改定の表、2025年以降は2025年改定の表の値です(このページで使った品目の定義と例示は、両方の改定で変わっていません)。
- 家計調査は世帯の支出を調べる標本調査で、お店の売上や来店数そのものではありません。月ごとの値には誤差があるため、1年分ではなく5年分で傾向を見ています。
年ごとに見ても、
1月の谷は同じだったか
平均だけでは、たまたまの年に引っぱられることがあります。
5年平均の形が、特定の年の動きに引っぱられただけではないかを確かめるために、年ごとの「いちばん少ない月」と「いちばん多い月」を並べました。
| 年 | カット代 いちばん少ない月 |
カット代 いちばん多い月 |
パーマネント代 いちばん少ない月 |
理髪料 いちばん少ない月 |
|---|---|---|---|---|
| 2021年 | 1月(374円) | 12月(597円) | 8月(174円) | 1月(305円) |
| 2022年 | 1月(438円) | 12月(651円) | 8月(156円) | 1月(339円) |
| 2023年 | 1月(458円) | 12月(629円) | 1月(148円) | 1月(332円) |
| 2024年 | 1月(456円) | 12月(663円) | 8月(156円) | 1月(335円) |
| 2025年 | 1月(443円) | 3月(669円) | 1月(130円) | 9月(350円) |
← 表は横に動かせます →
出典:上記の家計調査(総務省統計局)を加工して作成。金額は二人以上の世帯の1世帯あたり1か月間の支出です。
カット代は、5年とも1月がいちばん少ない月でした。 2023年から2025年の3年間だけに絞っても同じです。
7月分まで公表されている2026年は、カット代では1月(440円)がここまででいちばん少なく、 パーマネント代と理髪料では4月がいちばん少なくなっています(1月はどちらも3番目)。 年の途中の数字なので、1年分がそろってから見直す必要があります。
なお、2020年は4月の支出が大きく落ち込むなど、ほかの年と形が大きく違うため、平均の計算からは外しています。
お店ごとの波は、客層と立地で変わります
ここで見ているのは全国の世帯の支出をまとめた数字です。学生の多い地域、観光地、オフィス街など、客層や立地によってお店の波は変わります。ご自身の予約表の月ごとの件数と、この形を並べてみてください。同じ形なら全体の流れに沿っている、違う形ならお店に固有の理由がある、という見方ができます。
1月に谷ができる
理由として考えられること
統計は「いつ」を示しますが、「なぜ」までは示しません。
家計調査から分かるのは、支出が月ごとにどう動いたかまでです。 理由は数字には書かれていないので、ここからは考えられることとしてお読みください。
カット代の支出がいちばん多い12月は年末、次に多くなりやすい3月は年度替わりの前です。 節目の前に髪を整えておきたいという来店が、この時期に集まると考えられます。
そうして12月にご来店いただいたお客様にとって、1月はまだ次のご来店の時期ではない、ということが起こりえます。 そう考えると、1月の谷は12月の山の裏返しとして見ることもできます。
閑散期は「お客様がいなくなる時期」ではなく、「来店のきっかけになる行事が少ない時期」と捉えると、打ち手を考えやすくなります。
来店のきっかけを
「行事」と「髪の変化」に分けてみる
お店のメニューを、きっかけの種類で並べ直します。
お客様がご来店を決めるきっかけは、大きく2つに分けて考えることができます。 暦の上の行事に合わせたものと、髪そのものの変化から生まれるものです。
行事がきっかけの来店
節目の前に整えておきたい、という来店です。時期が暦で決まるので、同じ月にまとまりやすくなります。
- 年末・新年の前
- 卒業・入学・新年度
- 式典や行事の予定
1月はどうか年末に済ませたばかりで、きっかけが少なくなりやすいと考えられます。
髪の変化がきっかけの来店
伸びてきた、まとまらなくなってきた、という来店です。きっかけは暦ではなく、髪の側で生まれます。
- 伸びて形が崩れてきた
- ボリュームが気になってきた
- 付け足しのメンテナンス
1月はどうかきっかけ自体は暦と関係なく生まれます。ただし、実際にご来店いただく時期は行事に合わせて前後することがあります(カット代の支出でも1月は低い月でした)。
もちろん、カットのように髪の変化がきっかけのメニューでも、ご来店の時期は行事に合わせて前後に動くことがあります。 12月に支出が集まるのは、その表れと考えられます。
そのうえで、閑散期のことを考えるときは、髪の変化がきっかけになるメニューを、お店の中にいくつ持っているかを数えてみてください。 行事の少ない月に、お客様にご来店いただく理由がどれだけあるのかが見えてきます。
まず資料で、
中身をご確認ください。
技術のしくみ、導入の進め方、サロン様での組み込み方までご案内しています。無料でお届けします。
谷の月に準備し、
山の月に知っていただく
予約の少ない月と多い月で、役割を分けておきます。
予約の少ない月は、手を動かす準備に時間を使いやすい月です。 反対に、ご来店の多い月はご予約が詰まりやすく、新しいことをご相談いただく時間は取りにくくなります。 その代わり、多くのお客様に店内の案内を見ていただける月でもあります。
谷の月予約表で少ない月(全国のカット代の支出では1月)。手を動かす準備に使う
- 新しい技術を練習する3D増毛エクステの技術習得は、技術マニュアルとDVDが基本です。店内でご自身のペースで進められます。
- メニュー表と料金を見直す価格は各サロン様が決めるものです。原価と施術にかかる時間から逆算する手順は、導入費用・料金のページでご案内しています。
- カウンセリングで何を聞くか決めておく当社のカウンセリングシートは、薄毛のお客様に何を聞けばいいのかが決まっているので、初めての接客でも会話が止まりません。
山の月予約表で多い月(全国のカット代の支出では12月。2025年は3月)。店内で知っていただく
- 店内ポスターを貼っておくお客様のほうから「これ何?」と聞いてくださる状態をつくるための販促物です。こちらから売り込むより自然に話が始まります。
- パンフレットを持ち帰っていただく三つ折りパンフレットは、その場で決められないお客様に持ち帰っていただけます。
- ご相談は落ち着いた月にうかがう気になっている方には、お店の予約が落ち着く時期にゆっくりお話をうかがう、という順番も考えられます。
準備は、導入を決める前から始められます
お試しモニターセットは、導入を決める前にご自身の手で結んでみるためのものです。「思っていたのと違った」と感じたら、その段階でやめていただいて構いません。費用の内訳は導入費用・料金のページに、技術習得の進め方は講習・セミナーのページに、販促ツールは加盟店サポートのページにまとめています。
髪の変化がきっかけになる
メニューを1つ持つ
3D増毛エクステは、そういう性質のメニューです。
3D増毛エクステは、健康な地毛に人工毛を結んで毛量を足していく技術です。 薬剤も接着剤も使わず、いまお使いのセット面でそのまま施術していただけます。
結んだ人工毛は、地毛と一緒に伸びていきます。 地毛が伸びると結んだ位置が根元からズレてくるため、定期的な付け足しのメンテナンスが必要になります。
つまり施術した時点で、次のご来店の理由が生まれています。 そしてその理由は、年末や年度替わりの行事ではなく、髪の伸び方の側にあります。
ただし、実際にいつご来店いただけるかは、お客様のご都合や行事によっても前後します。 増毛エクステのご来店が月ごとにどう動くかは、このページの統計では分かりません(家計調査に増毛エクステの品目はありません)。
メンテナンスの周期は、お客様によって変わります
周期は本数・髪の伸び方・気になる度合いによって変わるため、当社では一律の周期をご案内していません。お客様ごとに目安をお伝えしていただく形になります。「決まった月に必ずご来店がある」という意味ではありません。
施術の時間の目安は45〜60分で約400本です。 実際にかかる時間はお客様の状態と施術する方の慣れによって変わりますので、ご自身の手でお試しいただいてご確認ください。 人工毛は21色(1トーン〜14トーン)をご用意しています。
向いていないケースも先にお伝えします
入れてから気づくと、いちばん損をするのはサロン様です。
先に知っておいていただきたいこと
- 閑散期の売上を埋めることをお約束できる方法ではありません。新しいメニューは、お客様に知っていただくところから始まります。売上は、お客様の数、ご提案できる機会、設定される価格によって変わるため、金額をお約束することはできません。
- 施術中は、枠を取る形になります。お客様おひとりに向き合う施術で、カラーの放置時間のように手が空く種類のメニューではありません。
- 結ぶための地毛が必要です。健康な地毛に人工毛を結ぶ技術のため、地毛がほとんど残っていないお客様には対応できません。その場合は特注WIG・医療用WIGのご提案という選択肢があります。
- 1回で終わるメニューではありません。結んだ人工毛は地毛と一緒に伸びていくため、定期的なメンテナンスが必要です。続けてご来店いただく前提のメニューだとお考えください。
よくあるご質問
Q美容室の閑散期は、結局いつなのですか?
A総務省の家計調査(二人以上の世帯)で「カット代」の支出を月別に並べると、2021年から2025年までの5年間、毎年いちばん少なかったのは1月でした。いちばん多かったのは、2024年までの4年間が12月、2025年は3月です。ただし全国の世帯の支出をまとめた数字なので、お店ごとの波は客層や立地によって変わります。ご自身の予約表の数字と並べて確かめてください。
Q2月や8月も閑散期ではないのですか?
Aカット代で見るかぎり、2月は1月ほどはっきりとは落ちていません。2月は日数が少ないぶん月の合計は小さく出ますが、5年平均を1日あたりに直すと、ほかの月と同じくらいの水準です。8月は、パーマネント代では5年のうち3年でいちばん少ない月でしたが、カット代では目立った谷になっていません。メニューによって谷の出方が違う、と考えるのが実際に近いところです。
Q理容室(床屋)でも、1月がいちばん少ないのですか?
A家計調査の「理髪料」(指名料・部分刈り代・顔そり代を含む品目。主に理容店での散髪代にあたると考えられます)では、2021年から2024年までの4年間、1月がいちばん少ない月でした。2025年は9月がいちばん少なく、1月はその次でした。カット代ほど毎年そろってはいませんが、5年平均で見ると1月がいちばん低い形は同じです。
Q家計調査の数字は、美容室の売上をそのまま表しているのですか?
Aいいえ。家計調査は、世帯が1か月にいくら支出したかを調べた統計で、お店の売上そのものではありません。このページで使ったのは「二人以上の世帯」の結果で、単身の世帯は含まれていません。また、ヘアカラー(毛染め代)はカット代とは別の品目に分類されているため、カラーの動きはこの数字に入っていません。月ごとの波の形をつかむための目安としてお使いください。
Q予約の少ない月に、新しい技術の練習を進めることはできますか?
A3D増毛エクステの技術習得は、技術マニュアルとDVDが基本です。店内でご自身のペースで進めていただけるので、予約の少ない月にまとめて手を動かすこともできます。手が止まったところはLINEやZOOMでご質問いただけます。導入を決める前に、お試しモニターセットでご自身の手で結んでみることもできます。
Q増毛エクステを入れれば、閑散期の売上の落ち込みはなくなりますか?
Aお約束することはできません。売上は、お客様の数、ご提案できる機会、設定される価格によって変わります。増毛エクステは、結んだ人工毛が地毛と一緒に伸びていくため、定期的なメンテナンスが必要になる技術です。来店の理由が年末や年度替わりの行事ではなく髪の伸び方の側にある、という性質をどう使うかは、ご自身の店の数字を当てはめてご判断ください。実際にいつご来店いただけるかは、お客様のご都合や行事によっても前後します。
Q12月のうちに、1月に向けてしておけることはありますか?
A家計調査のカット代では、12月は5年のうち4年でいちばん支出の多い月でした(お店の来店数そのものではありません)。お店でもご来店の多い月であれば、店内のポスターやパンフレットが多くの方の目に触れます。当社の店内ポスターは、お客様のほうから「これ何?」と聞いてくださる状態をつくるための販促物です。新しいメニューを置くなら、ご来店の多い時期に店内でお知らせしておき、ゆっくりご相談をうかがうのはお店の予約が落ち着く時期に、という順番が考えやすくなります。