
増毛エクステのメニューを始めるとき、スタッフのいるサロン様から出てくるのが「アシスタントにどこまで任せていいのか」というご相談です。全部をオーナーや担当スタイリストが抱えると手が回らず、かといって全部を任せると、お客様のデリケートなお悩みに関わる場面で不安が残ります。
この記事では、増毛エクステの商材と技術をご提供している3D増毛研究会が、アシスタントに任せやすい仕事と、担当者の手元に残しておいたほうがよい判断を整理します。線を引く基準は「技術の上手・下手」ではなく、お客様のお悩みに対して何かを決める場面かどうかです。
※この記事でいう「アシスタント」は、美容師(理容室の場合は理容師)の免許をお持ちで、スタイリストとして独り立ちする前のスタッフの方を指しています。
まず前提:お客様の髪に触れるのは、免許をお持ちのスタッフです
役割分担の話に入る前に、ひとつだけ前提を確認しておきます。お客様の髪に触れる施術を任せる相手は、美容師(理容室の場合は理容師)の免許をお持ちのスタッフであることを前提に考えてください。
美容師法第6条は「美容師でなければ、美容を業としてはならない。」、理容師法第6条は「理容師の免許を受けた者でなければ、理容を業としてはならない。」と定めています。免許をお持ちでないスタッフにどこまで手伝ってもらってよいかなど、施術と免許の関係で迷う場合は、自己判断せず、サロンを管轄する保健所にご確認ください。
線を引く場所は「技術」ではなく「判断」です
「増毛エクステは難しい技術だから、アシスタントには無理」と考えておられるサロン様もいらっしゃいます。ですが3D増毛エクステは、技術マニュアルとDVDでの習得を基本にしていて、当社サイトでも美容経験のない美容学生の方から、キャリアのある先生まで結べるようになる内容とご案内しています。
つまり、練習を重ねれば「結ぶ」作業そのものはアシスタントにも任せていけます。DVDだけでは難しい場合は、セミナーなどで実践しながら習得される方もいらっしゃいます。なお「結べるようになる」は技術の話で、お客様への施術は、免許をお持ちのスタッフが行う前提です。一方で、次のような場面は、技術が身についても担当者の手元に残しておくことをおすすめします。
- このお客様に増毛エクステが向いているかどうかを見極める
- どこに、何本結ぶかをご提案する
- お客様の「やめておきます」「思っていたのと違う」を受け止める
どれも、お客様のお悩みに対してお店として何かを決める場面です。ここがぶれると、お客様からは「人によって言うことが違う店」に見えてしまいます。
アシスタントに任せやすい仕事
① 商材の準備と、結んだ本数の確認
3D増毛エクステの人工毛は、スポンジに挟んだ状態の商材です。1スポンジ20〜40本なので、何本付けたかが数えやすい形になっています。施術前に、決まったカラーのスポンジを必要な数だけそろえておく、施術中に結んだ本数を控えておく、といった仕事はアシスタントに任せやすい部分です。
本数は料金にも次回のご案内にも関わる数字ですので、「誰が数えて、どこに書くか」を決めておくと、担当者は結ぶことに集中できます。
② カウンセリングシートのお渡しと、記入のご案内
当社が加盟サロン様にお渡ししているカウンセリングシートは、薄毛のお客様に何を聞けばいいかが決まっているものです。シートをお渡しして、記入していただく流れをご案内するところまでは、アシスタントにお願いしても問題ありません。
ただし、ご記入いただいた内容をもとに判断するのは担当者です。アシスタントには「シートを受け取ったら、中身については触れずに担当者へ渡す」とだけ決めておくと、お客様にとっても話す相手がはっきりします。治療のことなど、お客様があまり人に知られたくない内容が書かれている場合もありますので、シートを見るのは必要なスタッフだけにし、ほかのお客様の目に触れない場所で扱ってください。
③ 店内の販促物を整えておくこと
当社サイトでは、導入サロン様からいちばん多くいただくお話として「こちらから声をかけるより、ポスターを見たお客様から聞かれるほうが決まりやすい」とご紹介しています。ポスターが見える位置にあるか、三つ折りパンフレットが切れていないか。こうした「聞いていただける状態」を保つ仕事は、アシスタントに任せてしまってよい部分です。
④ 練習を重ねたあとの「結ぶ」作業
先に書いたとおり、結ぶ作業そのものは、練習を重ねれば任せられるようになります。ただし、いきなりお客様の施術を丸ごと任せるのではなく、段階を踏むことをおすすめします(次の章でご説明します)。
担当者の手元に残しておきたい判断
① 施術してよいお客様かどうかの見極め
増毛エクステは、結ぶための健康な地毛が残っていることが前提の技術です。地毛がほとんど残っていない状態や、治療で脱毛期にあるお客様には向きません。また、地毛そのものを生やすものではなく、医療行為にあたる判断・診断もできません。
「このお客様には施術しない」「医療機関へのご相談をおすすめする」という判断は、お店としての線引きそのものです。ここはアシスタントの判断に預けず、必ず担当者が行うと決めておいてください。
② 本数・範囲・料金のご提案
増毛エクステは、気になる範囲とご予算に合わせて本数を決めるメニューです。本数が変われば料金も所要時間も変わりますので、ご提案の窓口は一人に決めておくほうが、お客様も迷いません。
アシスタントがお客様から「何本くらい必要ですか」「いくらになりますか」と聞かれることもあると思います。そのときの答え方は、「担当の者が、髪の状態を見てからご案内しますね」とあらかじめ決めておくと安心です。その場の思いつきで数字を言ってしまうと、あとで担当者のご提案と食い違ってしまいます。
③ 「やめておきます」を受け止めること
ご提案をして断られたときの引き方は、そのお客様があとから相談に戻ってきてくださるかどうかを左右します。「断られたら、その日は誰も触れない」をお店のルールにしておくことを、断られたときの引き際の記事でおすすめしています。アシスタントにも、このルールだけは必ず共有しておいてください。
④ 施術後のご相談やご不満の受け止め
「思っていたのと違う」「前回から気になるところがある」といったお声は、最初に聞いたのがアシスタントでも、その場で答えを出さずに担当者へつなぐようにしておきます。お客様の言葉はそのまま担当者に伝え、担当者から改めてお話をうかがう形にすると、行き違いが起きにくくなります。
「結ぶ」を任せるまでの段階の踏み方
結ぶ作業をアシスタントに任せていく場合は、次のような順番で進めると、お客様にもスタッフにも無理がありません。
▶ ステップ1 マニュアルとDVDで手順を覚える
3D増毛エクステの技術習得は、スタイル別の結び方をまとめた技術マニュアルとDVDが基本です。お店のなかで、営業の合間に自分のペースで進められます。
▶ ステップ2 手元を見てもらう
ある程度結べるようになったら、担当者がそばで手元を確認します。加盟サロン様向けには、ZOOMでの技術チェックもご用意しています。実際の手元を見せていただければ、結び方の癖もその場でお伝えできます。
▶ ステップ3 担当者の施術の一部を受け持つ
最初からお客様1人分を任せるのではなく、担当者が見ている前で、決まった範囲だけを受け持つところから始めます。仕上がりは担当者が確認し、仕上げのカットでなじませるところまで担当者が責任を持ちます。
▶ あわせて スタッフが増えたら臨店講習も
スタッフが増えて教える時間が取れないときは、臨店講習をご利用いただけます。1回・3回・6回のコースがあり、技術だけでなく売り方のご相談も含めて対応しています(お試しモニターセット、またはスタートセットをご購入のサロン様が対象です。料金・日程はサロン様の場所と回数によって変わるため、お問い合わせください)。講習の種類は講習・セミナーのページにまとめています。
お店で決めておきたい役割分担の一覧
ここまでの内容を、スタッフ間で共有しやすいように一覧にしました。お店の人数や方針に合わせて、書き換えてお使いください。
| 場面 | アシスタント | 担当者 |
|---|---|---|
| 商材の準備・本数の確認 | 任せる | 記録を確認 |
| カウンセリングシート | お渡し・記入のご案内 | 内容を読んで判断 |
| 向き・不向きの見極め | しない | 必ず担当者 |
| 本数・料金のご提案 | 担当者へつなぐ | 窓口を一人に |
| 結ぶ作業 | 段階を踏んで一部から | 仕上がりを確認 |
| 断られたとき・ご不満 | その場で答えず担当者へ | 受け止めて対応 |
まとめ
- お客様の髪に触れる施術は、免許をお持ちのスタッフが行う前提で考える(迷ったら管轄の保健所へ)
- 線を引く基準は技術の上手・下手ではなく、お客様のお悩みに対して何かを決める場面かどうか
- アシスタントに任せやすいのは商材の準備と本数の確認・シートのお渡し・販促物の管理、そして練習後の結ぶ作業
- 担当者に残すのは向き・不向きの見極め、本数と料金のご提案、断られたときとご不満の受け止め
- 結ぶ作業はマニュアルとDVD → 手元の確認 → 一部からの順で任せていく
役割がはっきりしているお店は、お客様から見ても「誰に相談すればいいか」が分かるお店です。薄毛のお悩みは話しにくいものだからこそ、相談の窓口が決まっていることが、安心して任せていただける理由のひとつになります。
スタッフの多いサロン様の導入も、ご相談いただけます
3D増毛研究会では、技術のしくみと導入の進め方をまとめた資料を無料でお届けしています。「スタッフにどう教えていけばいいか」といったご相談も、オンラインでそのままうかがえます。全国どこからでもご利用いただけます。
オンライン相談は こちら/お電話は 048-458-3241(10:00〜16:00/火・土・日・祝 定休)
※本記事でご紹介している役割分担は一例です。サロン様の人数や方針に合わせて調整してください。免許をお持ちでないスタッフの業務範囲については、サロンを管轄する保健所にご確認ください。髪や頭皮の状態について医療的な判断が必要な場合は、医療機関へのご相談をおすすめしています。