
増毛エクステのご提案をして、お客様に「今日はいいです」「また考えます」と言われた。導入されたサロン様であれば、一度は経験される場面だと思います。
このときの引き方しだいで、そのお客様があとから相談に戻ってきてくださるか、薄毛の話題そのものを避けるようになるかが分かれます。断られたこと自体は、失敗ではありません。薄毛のお悩みは、その場で決めるには重い話題だからです。
この記事では、増毛エクステの商材と技術をご提供している3D増毛研究会が、断られたときの引き際と、次のご来店につなげる一言を整理します。声のかけ方(入口)については薄毛のお客様への声かけの記事でまとめていますので、今回はその「出口」のお話です。
「今日はいいです」は、終わりの言葉ではありません
当社サイトでは、店内でお渡しする三つ折りパンフレットについて「その場で決められないお客様に持ち帰っていただけます。ご家族に相談されてから戻ってこられるケースもあります」とご案内しています。つまり増毛エクステは、その日のうちに決まらないことも前提にしておくメニューです。
そう考えると、断られた瞬間にサロンがやるべきことは、説得ではなく「また相談してもいい場所だ」と思っていただいたまま、お帰りいただくことになります。
※当社サイトでも「導入すれば売れる、ではありません」とお伝えし、店内での告知やお客様への切り出し方まで含めて設計することをおすすめしています。断られた日の引き方も、その一部です。一度で決まらないお客様がいるのは当たり前のことで、そこで関係を切らないことが、長い目で見ていちばん効いてきます。
「断られた」の中身は、ひとつではありません
同じ「今日はいいです」でも、お客様のなかで起きていることは違います。たとえば次のような形があります。
- 今日は時間がない……興味はあるが、この後の予定がある
- 金額を聞いてから考えたい……本数でいくらになるか分からないまま決めたくない
- 家族に相談したい……自分ひとりで決める話ではないと感じている
- 思っていたものと違った……髪が生えてくるものだと思っていた、など
- まだ、人に話す気持ちになれない……気になってはいるが、話題にされること自体がつらい
ここで大事なのは、どれに当たるかを、その場で問いただして確かめないことです。お客様がご自分から理由をおっしゃったときだけ、それに合わせた一言を返します。おっしゃらなければ、どの理由でも通じる引き方をします。
引き際の3つの約束
① 理由を聞き出そうとしない
「何が引っかかっていますか」「金額ですか」と重ねて聞くのは、お客様にとっては説得の続きに聞こえます。薄毛の話題はご自分から切り出しにくいものですので、理由まで言わせようとすると、次からは話題にされなくなってしまいます。
② その日のうちに、二度目のご提案をしない
カットの仕上げのとき、お会計のとき、お見送りのとき。タイミングを変えて何度か触れたくなりますが、一度お断りをいただいたら、その日はもう話題にしないと決めておきます。スタッフのいるサロン様は、「断られたら、その日は誰も触れない」をお店のルールとして共有しておくと、別のスタッフが悪気なく蒸し返すことを防げます。
③ 「またいつでも」と、次の入口を一言だけ残す
引くときは、黙って話題を変えるのではなく、次に相談していただくための入口を一言だけ残します。何も言わずに引くと、お客様のほうでは「気まずくさせてしまった」という記憶だけが残ることがあるためです。
- 「もちろんです。気になったときに、いつでも声をかけてくださいね」
- 「今日は聞いていただいただけで十分です。また何かあれば、そのときに」
言葉はサロン様の雰囲気に合わせて変えていただいて構いません。「決めなくていい」と「いつでも戻ってきていい」の2つが伝われば十分です。
お客様が理由をおっしゃったときの、次につなげる一言
※ここから先の言い方は一例です。お客様との関係やサロン様の方針に合わせて調整してください。
▶ 「今日は時間がなくて」
「相談だけのお時間もお取りできますので、気になったときに、ご予約のついでにおっしゃってください。もちろん、その日に決めていただかなくて大丈夫です」。こちらから枠を押さえにいかず、決めるのはお客様に残しておくのがポイントです。メニューに「カウンセリングのみ」の枠を用意しておくと、この一言が自然に言えるようになります。
▶ 「金額を考えてから」
「本数で料金が変わるので、よろしければメニューをお持ちになりますか」。増毛エクステは本数で組み立てるメニューですので、金額の話はその場で詰めずに、持ち帰っていただける形にしておきます。その場で値引きを持ち出すのはおすすめしません。一度値引きした金額が、お客様のなかで基準になってしまうためです。販促ツールの割引チケットをお持ちの場合も、断られたその場でお渡しすると値引きで引き止めているように受け取られることがあるため、控えておくほうが無難です。
▶ 「家族に相談してから」
「ぜひご一緒に見てみてください」と、パンフレットをお渡しします。当社サイトでも、ご家族に相談されてから戻ってこられるケースがあるとご案内しています。いちばん素直に次につながる断られ方ですので、引き止めずにお見送りしてください。
▶ 「生えてくるものだと思っていた」
ここは、断っていただいてよい場面です。増毛エクステはいま生えている地毛に人工毛を結んで密度をつくる技術で、地毛そのものを生やすものではありません。「いまある髪に足して、見え方を変える技術なんです」と説明し直したうえで、無理に勧めないでください。期待と違うまま施術すると、あとで「話が違う」になります。
お持ち帰りいただくのは、パンフレット1部で十分です
断られたあとにあれこれ資料を渡すと、それ自体が押しの強さに見えてしまいます。お渡しするのは三つ折りパンフレット1部で十分です。金額を気にされていたお客様なら、先ほどのメニューに替えても構いません。
ただし、「お持ちになりますか?」と一度うかがってからにしてください。薄毛のご相談をしたことを、ご家族や周りに知られたくないお客様もいらっしゃいます。いらないとおっしゃったら、それもそのまま受け取ります。お持ち帰りにならなくても、店内のポスターが目に入る状態であれば、次に思い出していただくきっかけは残っています。
パンフレット・ポスター・カウンセリングシートなど、加盟サロン様にお渡ししている販促ツールは加盟店サポートのページにまとめています。
カウンセリングシートに、3つだけ残しておく
当社が加盟サロン様にお渡ししているカウンセリングシートは、ご記入いただいた内容が次回以降の記録になります。断られた日のことも、次のために短く残しておきます。
- 気になっている場所……つむじ・分け目・前髪・全体のどこか
- お客様がおっしゃった言葉……「時間がない」「家族に相談する」など、こちらの解釈を入れずにそのまま
- お話に出た予定……お式や写真撮影など、お客様のほうからおっしゃった場合だけ
ここで書き留めるのは、お客様がご自分からお話しになったことだけにしてください。治療に関わることなど、お客様が詳しく話したがらない内容を、記録のために聞き出す必要はありません。記録した内容は、お客様の大切な情報としてお店のなかだけで扱います。とくに病気や治療のお話は、個人情報保護法で「要配慮個人情報」とされ、取得には原則としてあらかじめご本人の同意が必要とされている情報です。お客様がご自分からおっしゃった場合も、書き留めるのは必要な範囲にとどめ、シートはほかのお客様の目に触れない場所に保管してください。
なお、あらためて施術に進むことになった日は、声かけの記事でご紹介した確認項目(頭皮や髪の状態、治療を受けておられないか など)を、その日にあらためてうかがってください。
次のご来店で、こちらから切り出すかどうか
記録を残すと、次のご来店で「その後いかがですか」と聞きたくなります。ですが基本は、こちらから同じ話を繰り返さず、お客様から触れてくださるのを待つことをおすすめします。
こちらから声をかけるより、ポスターを見たお客様から聞かれるほうが決まりやすい――導入されたサロン様からいちばん多くいただくお話として、当社サイトでもご紹介しています。ポスターは貼ったまま、話題はお客様に預けておく。これがいちばん自然な形です。
例外は、お客様のほうから予定をお話しになっていた場合です。そのときも、触れるのは一度だけ、スタイルの相談として。「〇〇のご予定、そろそろでしたね。当日の髪型、一緒に考えましょうか」のように、増毛エクステの話ではなく仕上がりの話から入れば、お客様のほうで選んでいただけます。
引き際に言わないでいただきたい言葉
▶ 「今日決めていただければ〜」
その日の決断を迫る言い方です。お客様が引いた理由がなんであれ、「ここで相談すると決めさせられる」という印象だけが残ります。
▶ 「このままだと、もっと薄くなりますよ」
髪がこの先どうなるかを言い切るのは、医療的な判断に踏み込むことになります。サロンでできるのは、いまある髪をどう見せるかのご提案までです。お客様が髪の今後を心配されているご様子なら、見通しを口にするのではなく、医療機関へのご相談をおすすめしてください。不安をあおって決めていただくやり方は、お客様にとってもサロンにとっても、おすすめできません。
▶ 「みなさんやっていますよ」
背中を押すつもりでも、お客様にとっては自分の悩みを「よくある話」で片づけられたように聞こえることがあります。
地毛の状態で「できない」ときは、サロンの側から引きます
最後に、お客様に断られるのではなく、サロンの側からお断りする場面についても触れておきます。
増毛エクステは、結ぶための健康な地毛が残っていることが前提の技術です。地毛がほとんど残っていない状態や、治療で脱毛期にあるお客様には向きません。ここで無理に施術をお受けしないことも、立派な引き際です。
3D増毛研究会では、そうしたお客様に「うちでは対応できません」で終わらせずに済むよう、G-NEXT HAIRや特注WIGでのご提案に切り替えられるメニューもお取り扱いいただけるようにしています(G-NEXT HAIRは医療機器ではなく、効果の感じ方には個人差があります)。また、治療が必要な脱毛については、医療機関へのご相談をおすすめするのが正しい対応です。
まとめ
- 「今日はいいです」は終わりではない。その日に決まらないことも前提のメニューと考える
- 引き際の約束は①理由を聞き出さない ②その日のうちに二度目のご提案をしない ③次の入口を一言だけ残す
- 理由をおっしゃったときだけ、時間・金額・ご家族・期待の違いに合わせた一言を返す
- お持ち帰りはパンフレット1部。お渡しする前に一度うかがう
- カウンセリングシートには場所・おっしゃった言葉・予定だけを残す
- 次のご来店ではこちらから繰り返さない。ポスターを貼ったまま、話題はお客様に預ける
- 地毛の状態で向かないときは、サロンの側から引き、次のご提案か医療機関へ
断られた日の引き方は、お客様にとって「このお店になら、また相談できる」と思えるかどうかの分かれ目です。その日の売上にはなりませんが、何カ月か先に、お客様のほうから「あのときの話なんですけど」と切り出していただける関係が残ります。
店内での告知のしかたまで、資料でご確認いただけます
3D増毛研究会では、技術のしくみと導入の進め方をまとめた資料を無料でお届けしています。「お客様にどこまでご提案していいのか」といったご相談も、オンラインでそのままうかがえます。全国どこからでもご利用いただけます。
オンライン相談は こちら/お電話は 048-458-3241(10:00〜16:00/火・土・日・祝 定休)
※本記事でご紹介している言い方は一例です。お客様の状況やサロン様の方針に合わせて調整してください。髪や頭皮の状態について医療的な判断が必要な場合は、医療機関へのご相談をおすすめしています。